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ご紹介, 蔵書(孝四郎)

Perspectives 2  Literature, Art, Music, 1953

Perspectives 2  Literature, Art, Music,  London Hamish Hamilton Ltd., 1953

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ロンドン・ハミッシュ・ハミルトン社発行の文芸総合誌。
2号は、アメリカの評論家、ライオネル・トリリング編、内容は文学、美術、音楽、映画、書評など多岐にわたる。

押し葉は孝四郎自身による。

ご紹介, 装幀の仕事(孝四郎)

武者小路実篤、福田淸人、所 勇           「学生選書」シリーズ

武者小路実篤『少年少女のために 愛と美の人生論』(学生選書)、梧桐書院、昭和25年1年5日
福田淸人『少年少女のために 文学者の歩いた道』(学生選書)、梧桐書院、昭和25年3月25日
所 勇『物語アメリカ史』(学生選書)、梧桐書院、昭和25年5月25日

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表紙周囲は同じ木版の連続模様、梧桐書院のサイト、社史の頁にシリーズの写真がある(http://www.gotoshoin.com/outline.php)。

『物語アメリカ史』のみ『恩地孝四郎 装本の業』(恩地邦郎編、三省堂、1982年)に掲載(「カタログ」ナンバー446)。「カタログ」とあるが、これはいわゆる学術的な全作品目録ではない。

『装本の業』は、観て愛でるための書物として編まれたもので、担当編集者、山口守氏ほか撮影スタッフの極めて行き届いた配慮により美しい書物となっている。

ご紹介, 蔵書(孝四郎)

Bossert, Helmuth Theodor, Altkreta : Kunst und Handwerk in Griechenland, Kreta und auf den Kykladen während der Bronzezeit ,1923

Bossert, Helmuth Theodor, Altkreta : Kunst und Handwerk in Griechenland, Kreta und auf den Kykladen während der BronzezeitDie Ältesten Kulturen des Mittelmeerkreises, Bd. 1, Ernst Wasmuth A.-G. Berlin, 1923

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ヒッタイト遺跡発掘、象形文字発見により知られるドイツ人研究者、美術史、文献学、考古学を専門とするボッセルト(1899-1961)による書、青銅器時代の古代ギリシャ、クレタ島、キクラデス諸島の芸術と工芸を扱う。豊富な図版(256頁)は壁画から調度品、装飾品まで多岐にわたる。

孝四郎の枠組みに捉われない関心が伺われる。もっともそれは、よく引用される「本は文明の旗だ」の一文に既に明らかであろうか。

2ヶ所に蔵書印あり。

紙片は孝四郎自身による。

ご紹介, 鋳金の仕事(邦郎)

東京藝術大学(東京美術學校)美術工芸科鑄金部卒業製作 1941年

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邦郎の東京藝術大学(東京美術学校)美術工芸科鑄金部卒業製作(昭和16年)
『卒業製作写真 昭和十六年十二月』(東京藝術大学附属図書館蔵)によれば
タイトルは「樹木より(梅の木)」、ほかの学生の「吾も逝かん決意」、「壁面戰陣譜 待機、激戰、勝利の前進」といった時代の空気を想起させる作品とは、雰囲気を異にしている。梅は、孝四郎の妻、のぶが好んでよく眺めていた、庭の蝋梅のことと思われる。

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美術學校学生時代は、学校に行かず映画館にばかり通っていたというのが邦郎お得意の昔語りであったが、『金工製作法 合金法 着色法』(東京美術學校教授・清水亀藏先生述、昭和十二年五月謄寫(非売品)、印刷所:五十川謄寫堂)が書棚に大切に保管されているといった、折り目正しいところも。

なぜ鋳金部ではなく彫金部であるかについては記述なし。

左上に鉛筆で、邦郎の筆跡で「恩地」とある。

奥付には「本書は東京美術學校工藝科彫金部に於て講義用として百部限の謄寫せるものなり。無断にて複製又は轉載を禁ず」と、学生五名の名前とともに書かれている。

 

ご紹介, 所蔵(邦郎)

弔詞 (瀬木博信)

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孝四郎逝去の折、捧げられた弔辞のひとつ

当時の博報堂社長・瀬木博信による、きわめて丁重で、画家や作家とは違う感性を感じさせる文章。

家にあるものは、いかにも整理されたようではなく自然にあるがままにというのが邦郎の考えで、この「弔詞」も、邦郎の手で「弔辞集」と書かれた厚手の封筒のなかに、美術関係者の弔辞、弔電名簿とともに納められ、孝四郎の装幀作品や蔵書とともに無造作に置かれていた。

邦郎は孝四郎の死んだ年、63歳まで父のことは語ったり書いたりすることはしないとしていたが、このようなお言葉の数々も(よく引用されるものは別として)、生来の潔さによるのだろうか、家族の利のために活用されることも、話題にされることもなかった。

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ご紹介, 蔵書(孝四郎)

Bonjour – bonsoir, images de Nathalie Parain ; scénario du Père Castor

Bonjour  bonsoir (Albums du Père Castor), images de Nathalie Parain ; scénario du Père Castor;Paris, Flammarion Éditeur , 1934

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出版人ポール・フォシェ(1898-1967)が1931年に発刊したシリーズ,、
ペール・カストール・アルバム、通称「カストール文庫」のうちの一冊、
子供の何気ない日常が描かれている。

シリーズを代表する画家のひとり、ナタリー・パラン(1897-1958)による絵。
表紙欠損。

紙片(日めくりカレンダーの1頁)は孝四郎自身による。

 

 

 

 

ご紹介, 蔵書(孝四郎)

Emil Högg,Das Ornament oder Schmuckwerk 1925

Emil Högg Das Ornament oder Schmuckwerk. Strelitz in Mecklenburg 1925.

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ドレスデンを拠点として、建築家、工芸家、教育者、後に画家としても活動した
エミール・ヘック(1867-1954)による、建築装飾についての書。
46頁の概説および作品リスト、図版(建築写真、図案など)40頁。
蔵書印あり。紙片(原稿用紙)は孝四郎自身による。

 

 

 

 

 

 

 

ご紹介, 蔵書(孝四郎)

Kühnel, Ernst,Miniaturmalerei im islamischen Orient 1923

 

Kühnel, Ernst,Miniaturmalerei im islamischen Orient Sechstens bis Zehnten Tausend;  Die Kunst des Ostens, herausgegeben von William Cohn, Band VII,Bruno Cassirer Verlag, Berlin, 1923

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ドイツのイスラム美術史家、イスラム美術収集家であり、1931年より20年間、ベルリン国立美術館イスラム部部長を務めたエルンスト・キューネル、Kühnel, Ernst(1882-1964)の主要著書、東洋美術史家ウィリアム・コーン(1888-1961)が編纂した東洋美術叢書の第7巻で、フランス語、トルコ語にも翻訳されており、日本の大学付属図書館などにも多く所蔵されている(http://ci.nii.ac.jp/ncid/BA08892625)。

蔵書印あり。紙片は孝四郎自身による。

 

 

 

 

 

ご紹介, 蔵書(孝四郎)

Schiefler, Gustav (ed.), Edvard Munchs Graphische Kunst 1923

Schiefler, Gustav (ed.), Edvard Munchs Graphische Kunst, Dresden, Verlag Ernst Arnold, 1923

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エドヴァルド・ムンク(1863-1944)の版画作品集。
ハンブルクの裁判官、美術収集家で、ムンクと親交のあったグスタフ・シーフラー(1857-1935)による編集。22頁の概説および作品リスト、作品写真89葉。

蔵書印あり。紙片は孝四郎自身による。

ご紹介, 蔵書(孝四郎)

Kleist, Heinrich Von,Prinz Friedrich von Homburg,Leipzig, Verlag Philipp Reclam Jun.

Kleist, Heinrich von ,Prinz Friedrich von Homburg: Schauspiel; Universalbibliothek Nr. 178 Leipzig, Verlag Philipp Reclam Jun.

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ドイツの劇作家、ジャーナリスト、小説家であるハインリヒ・フォン・クライスト(1777-1811)の晩年の戯曲『公子ホンブルク』、ドイツの出版社、レクラム社のペーパーバックシリーズ「世界文庫」(通称「レクラム文庫」)のひとつである。

孝四郎の蔵書にクライスト、とは奇妙に思われるかもしれないが、人形劇に対する関心を思えば、さほど不思議ではない。出版年の記載はないが、海外の古書販売サイトは、1910年代の出版としている。

国立国会図書館に所蔵されている最初の邦訳『公子ホンブルク』(岩波書店)の出版年が1921年となっていることから、孝四郎がこの本を入手したのは、それ以前であるか、邦訳が出版されているにもかかわらず、原書を入手したことになる。その熱意は、本文72頁のうちのほとんどに、書き込み(日本語訳や、辞書に書かれていたと思しき、ドイツ語用法についてのメモ)があることからもうかがわれる。

さて、孝四郎のドイツ語能力であるが、獨協大学に保存されている明治38年度の「獨逸學協會學校中學第貮年級乙組試驗成績表」によれば、その評価(「書取 習字」など4項目による評価)は際立ってよくもないが落第点もないといったところであろうか。「優」、「良」などの格付けが現在と違い、厳密に確定することは難しいとのことである。