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ご紹介, 所蔵(邦郎)

彫塑 (クニヲ)

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邦郎が使っていた書斎に無造作に置かれていたもの。

いささか読みにくいが、数字が刻まれており、「1923 八月 クニヲ」あるいは、「1928 八月 クニヲ」と見える

1923であれば、孝四郎の作、1928であれば、邦郎の作であろう。いずれにしても文字部分は孝四郎が刻んだと思われる。

貴重な資料を後生大事にしまい込んだりするのではなく、孝四郎が生きていた時代のように自然に、という考えから、アトリエのなかの作品や書籍も配置していた邦郎のことである。校長などという職を務めながらもシャイなところがあったので、孝四郎の愛情が伺われるものを、なおさら大切そうに扱わなかったのかもしれない。

もっとも晩年は孝四郎の作品継承のことはかり念頭にあり、自分の作品の管理などに専念する余裕もなく、案外、自分でも忘れてしまったのかもしれない。それも邦郎らしいところである。

 

 

 

ご紹介, 装幀の仕事(邦郎)

ウォルター・ロード 『大西洋の悲劇 タイタニック号の謎』1956年

ウォルター・ロード 『大西洋の悲劇 タイタニック号の謎』(佐藤亮一訳)、大日本雄弁会講談社、1956年

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大衆向けの仕事がその本意ではなかった邦郎、
映画の大ヒットによって、「タイタニック」の名前があれほどまでに知られるようになるとは夢にも思っていなかったであろう。

 

 

ご紹介, 装幀の仕事(孝四郎)

前田夕暮 『烟れる田園』1926年

前田夕暮 『烟れる田園』 アルス、1926年

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「雲形強圧髪に白と黒緑でたんぽぽ、背文字は金箔押し。カバーは乳茶色の同質紙に
焦茶と鼠で凸版刷り。」(恩地邦郎・編『新装普及版 恩地孝四郎 装本の業』、掲載、邦郎によるコメント、115頁)。

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蔵書印あり。

 

 

 

ご紹介, 装幀の仕事(孝四郎)

山村暮鳥 『梢の巣にて』 1921年

山村暮鳥 『梢の巣にて』 叢文閣 1921年

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「白地に藍と赤で素描。文字は金箔押し」(恩地邦郎・編『新装普及版 恩地孝四郎
装本の業』、掲載、邦郎によるコメント、108頁)。

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原稿あり。

 

 

ご紹介, 蔵書(孝四郎)

Max Klinger, Malerei und Zeichnung. Mit einer Federzeichnung Klingers.  1885

Max Klinger, Malerei und Zeichnung. Mit einer Federzeichnung Klingers. –
Insel-Bücherei Nr. 263, Insel-Verlag, Leipzig  1885

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ドイツの画家、版画家、彫刻家として知られるマックス・クリンガー(1857―1920)の
著述家としての側面を示す書。

 

蔵書印あり。

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この「インゼル文庫」を始め、ドイツの小さいサイズ、ハードカバーの本はいずれも
装幀に工夫があり、蔵書印もそれぞれのデザインに合わせた押し方がされている。

 

 

ご紹介, 蔵書(孝四郎)

『マリイ・ロオランサン詩畫集』1936年

『マリイ・ロオランサン詩畫集』(堀口大學編譯)昭森社、1936年

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献呈の辞あり。

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ご紹介, 蔵書(孝四郎)

東大学生自治会戦歿学生手記編集委員会(編) 『はるかなる山河に 東大戦歿学生の手記』 

東大学生自治会戦歿学生手記編集委員会(編) 『はるかなる山河に 東大戦歿学生の手記』(第五版) 東大協同組合出版部、1949年

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仕事の依頼の折に届けられたのだろうか。
博報堂装幀相談所の松本昇氏の名刺と東京大學出版部の平岡敬氏の名刺が挟み込まれていた。

孝四郎も、二男昌郎を、終戦間際の1945年8月に失っている。

 

ご紹介, 装幀の仕事(孝四郎)

『決定版 現代日本小説全集 第二十六巻   山本有三集』 1937年

『決定版 現代日本小説全集 第二十六巻 山本有三集』 アトリエ社、1937年

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深紅の薬囊地に金箔押し。箱は和紙に木版原刻の連続模様を黒で全面に使い、文字は窓をあけて弁柄色。」(恩地邦郎・編『新装普及版 恩地孝四郎 装本の業』、掲載、邦郎によるコメント、137頁)。

第一巻菊池寛集の原稿が残されている。

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ご紹介, 装幀の仕事(孝四郎)

大佛次郎 『宗方姉妹』   1950年

大佛次郎『宗方姉妹』 朝日新聞社、1950年

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「中央は木版手法で青藍色のレース模様を転写。枠は金箔押し。背文字は茶色。背中央にレース模様と同色の小円」(恩地邦郎・編『新装普及版 恩地孝四郎 装本の業』、掲載、邦郎によるコメント、151頁)。

扉にも、二色の小円。
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ご紹介, 蔵書(孝四郎)

Brandenburg, Hans, Der moderne Tanz,1921

Brandenburg, Hans, Der moderne Tanz,Georg Müller Verlag, München, 1921

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ハンス・ブランデンブルク(1885-1968)はドイツの著述家、その領域は詩や小説から伝記まで広範に亘り、編集者、教育者としても活動。
特にモダン・ダンスに関心を寄せたことで知られている。

室内、屋外で様々な踊りやポージングの男女を撮影した123点のモノクローム掲載。

蔵書印あり。

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