multirhythm

ご紹介, 装幀の仕事(孝四郎)

『江戸川乱歩 孤島の鬼・一寸法師・陰獣・其他』           1950年

現代大衆文学全集『江戸川乱歩 孤島の鬼・一寸法師・陰獣・其他』昭和25年、春陽堂

DSC_0520 s

DSC_0521 - s

DSC_0523 - s

DSC_0548 - s

DSC_0551 - s

木版原刻の連続模様による函については『恩地孝四郎 装本の業』(恩地邦郎編、三省堂、1982年)に解説のみあり。

 

ご紹介, 装幀の仕事(邦郎)

江戸川乱歩 『彼・幻影の城』1963年

江戸川乱歩 『彼・幻影の白』 東都書房、昭和38年

20180502_2 - s

20180502_3 - s

 

函は、本と共通の木版と点描の組み合わせ。

邦郎の妻、展子によれば、孝四郎は、編集者が邦郎と打合せのために訪問すると、玄関の冷たい床にぺったりと座りこんで、付き添っていたという。
「邦先生は字がなあ・・・」と呟いていた由。

邦郎が、書体に苦手意識をもっていたかどうかは分からないが、装幀作品は多くないかわりに、勤め先の学校などのためにカットをよく手がけていた。

 

ご紹介, 所蔵(邦郎)

装幀用道具類

邦郎使用。孝四郎より受け継いだものと思われる。

20180502_6_s

20180502_7_1_s

20180502_8_s

 

ご紹介, 所蔵(邦郎)

日本色彩研究所編著 『新色名帖』              

日本色彩研究所編著『新色名帖』               日本色彩社、1956年

20180502_1_s

20180502_5

 

20180502_2_1_s

20180502_3_1_s

20180502_4_1_s

 

邦郎が装幀の仕事のために使用していた色名帖。

元子幼時の遊び道具。

さすがに烏口は尖端が危険と思われたか、触る機会は得られなかったが、これは何故かいつも手の届くところにあった。

ぱらぱらとページを繰ると思いがけない色の組み合わせが現れ、“美しい”組み合わせではないものも、それはそれで面白いと感じられた。

思えばこれが、邦郎から娘、元子への、最初で最後の色彩教育であった。

この色名帖から、邦郎が小さな四角を切り抜き、何か描かれた紙の脇に並べて貼りつける作業を見るのは楽しく、しかるのちに訪れる客人(編集者)にその紙が渡されると、時をおいて書籍が帰ってくる。これには驚かされた。

だからといって、これらのことをもとに将来はブックデザイナーになりたいなどと元子はついぞ考えたことがなかった。

 

 

 

 

 

 

ご紹介, 装幀の仕事(孝四郎)

『文蓺春秋』 1945年

『文藝春秋』昭和二十年十月號(第二十三巻 第四號)復刻版、文藝春秋

DSC_0097sr

DSC_0098sr

DSC_0105のsr

平成七年十月号 綴じ込み付録。

編集後記に「復活第一號とも謂ふべき本號・・・・」とある。

この復刻版が出版社より贈られたとき、邦郎は使われた判子を探し出して、摺りに使った紙の残りの紙片に「表紙に使用」と書き、それを判子に巻いて保管していた。

『恩地孝四郎 装本の業』(恩地邦郎編、三省堂、1982年)には掲載されていない。

ご紹介, 書(頼)

頼 「教育勅語」

DSC_0015 sr

DSC_0017 sr

DSC_0019 s r

DSC_0018sr

轍(わだち)の妻、孝四郎の母、頼(らい)の書による「教育勅語」。

頼は、須藤愛司(露三)著『名士名家の夫人』70頁に「文武兼備」として採りとりあげられ、賊に押し入られたときの度量のある様子が伝えられている。

20180402 rai

(国立国会図書館蔵 資料は下記アドレスで閲覧可能:http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/778840

この書に採りあげられたほかのお家と同じように「名家」と言い得るかどうか判断できるものではないが、孝四郎に対しても古風な躾が成されたことは確かであろう。

この「教育勅語」は、孝四郎妻、のぶの部屋の欄間に、のぶが1978年に没するまで掛けられていたため、家族のあいだでは、頼のことを「ちんおもうにのおばあさま」と呼び慣わしていた。

 

ご紹介, 蔵書(孝四郎)

Graitoff, Otto, Französische Malerei seit 1914,1921

Graitoff, Otto, Französische Malerei seit 1914,Berlin, Mauritius-Verlag, 1921

20180228 frenchi_cover re s

20180228 french re s

ドイツの美術史家、Otto Nikolas Grautoff (1876 -1937) による、1914年以降のフランス絵画についての書。

作品モノクロ写真あり。

カバーは孝四郎自身による。丸善のシールあり。

ご紹介, 蔵書(孝四郎)

Schürer, Oskar, Pablo Picasso (Junge Kunst Band 49/50) , 1927

Schürer, Oskar, Pablo Picasso (Junge Kunst Band 49/50), Leipzig, Klinkhardt & Biermann, 1927

20180228 picaso cover re s

20180228_picaso re s

20180228_picaso content s

 

「Junge Kunst」叢書のうちの「ピカソ」、著者はドイツの美術史家、Oskar Schürer(1892-1949)、ただし、 とびらの著者綴りは、「oscar」となっている。

作品写真(カラー、モノクロ)あり。

カバーは孝四郎自身による。

ピカソの作品写真切り抜きの挟み込みあり。

 

 

 

ご紹介, 装幀の仕事(孝四郎)

井上康文 『梅』    1947年

井上康文 詩集『梅』冨岳本社、昭和22年4月20日
以前の掲載が、展示風景の撮影であったため、実物を版木とともに再掲載。DSC_0111 s

DSC_0132 s

DSC_0115 s

DSC_0117 s

口絵は、孝四郎木版「詩人の像」(心像図)(1947)。
DSC_0119 s

DSC_0121 s

DSC_0122 s

DSC_0127 s

『恩地孝四郎 装本の業』(恩地邦郎編、三省堂、1982年)には掲載されていない。

ご紹介, 蔵書(孝四郎)

Tietze, Hans, Deutsche Graphik der Gegenwart, 1922

Tietze, Hans,   Deutsche Graphik der Gegenwart       E. A. Seemann, Leipzig, 1922.

以前、掲載時に未撮影部分あり。常にすべての紙片や書き込みページを撮影しているわけではないが、これは紙片にメモがあったため、改めて撮影し、再掲。

 

DSC_000_・s ・JPG

 

オーストリアの美術史家で、ウィーン大学教授も務めたハンス・ティーツェ(1880 – 1954)の著作。

蔵書印2種あり。欧文は「おんち」のドイツ語表記「ONZI」が採用されている。

DSC_0040 s

DSC_0041 s

 

ハインリヒ・カンペンドンク(1889~1957)、ジョージ・グロス(1893~1959)のページに挟み込まれた紙片(メモあり)は孝四郎による。

DSC_0045 s

DSC_0044 s

 

撮影の台として使った木片は版木、スコアは、孝四郎長男・邦郎の妻、展子所蔵のものを活用。

DSC_0050 s DSC_0053 s